ゆうじんの部屋 #12
「折れたレール」-イギリス国鉄民営化の失敗-
クリスチャン・ウォルマー著 坂本憲一訳
発行 ウェッジ 2400円+税
--------------------------------------------------------------------------
現在、地方鉄道の再生策として上下分離がよく言われているが、上下分離の失敗例を詳述したのがこの本である。
鉄道会社は運転手から投資計画部門までが情報を共有し、隠しあわない関係であってこそ安全性が高まり、費用と便益のバランスのとれた投資や業務改善ができることが各所で強調されている。その中で日本の国鉄民営化は成功例とされている。
えちぜん鉄道も、投資的経費は県、その他の赤字補填等は市町村負担とされているが、線路の大規模更新等が必要となった時、お互いが責任を押し付け合い、イギリスの轍(鉄)を踏まないか十分な配慮が必要であろう。