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新幹線で北陸本線はどうなる 040529

新幹線問題が今クローズアップされていくとき、「並行在来線」問題はそのうち、話題になります。そんなことも含め行ってまいりました。

「北陸本線はどうなる、どうする…県内の公共交通は」
日時:平成16年5月29日(土)安田生命ホール地下ホール
講師:関西大学 商学部 安部誠治 教授
主催:北陸線・ローカル線の存続と公共交通を良くする富山の会

安部先生が約50枚ほどのスライドを使って説明をされました。

1.社会経済のトレンドと各国の交通政策の転換について概説。
 環境の時代、人口減少の時代、財政的制約の時代、生活の質の時代と4つのトレンドが絡み合って、交通政策が変わってきつつあると説明。
 イギリスでは、道路交通削減法ができ、交通量を削減したらボーナスとして「補助金」を出すとか。また、ドイツでは連邦交通運輸計画を立案し、全交通の負担の内40%を鉄道に持たせる計画など、都市計画のなかに「交通」というものを位置付けている。

2.生活交通の現在の状況を概説
 強調していたのは、都市間交通ではなく、「地域交通」が大事であると。地域交通といえば「公共交通」ということになる。地域交通が大事という割には地方自治体はまだこのことをわかっていない。
①国が許認可権を持っている/権限が地方自治体にない 
②交通計画(道路計画ではない)街づくりの柱になっていない
③タテ割り行政なので行政内部での総合性に欠ける 
④プロジェクト主義なので交通問題が重要であるという認識を持っていない

3.北陸本線の現況について説明
 北陸本線の大きな特色は生活交通と幹線交通が一緒になっているところであると力説。北陸新幹線は、時間距離からいって、充分債採算がとれるという。東京⇔小松の客が新幹線に流れるなどの要因がある。
 しかし問題点も抱えている。
①都市間交通と生活交通が一緒になってる…並行在来線の問題
②一部スーパー方式が採用されている…運行上の問題
③福井以西が確定されていない…敦賀以南は直流化問題、湖西線⇔小浜の直通化などに興味
④上越新幹線の乗降客数を下回る可能性がある。
 10年以内に福井までくるので、並行在来線への対策は考慮しておきべき。

4.並行在来線の経営の問題
 ①並行在来線は、第三セクターでの経営
県境を超えての三セクになるので行政間の調整が難しい
 ②貨物輸送体系への影響
経営上の観点から貨物を逃す手はない
 ③支線の一部、たとえば売上が期待できる駅間例えば金沢⇔富山をJRが経営し、その他を第三セクターが請け負うような奇妙な経営方式に成る可能性がある。
 ④地域自治体の支援施策が必要
下分離の方式を採用することになるか。
 ⑤公共交通は地域のライフライン 
勝山市のえちぜん鉄道を残した熱意が重要。
 ⑥地方自治体の公共交通の課題
・国が許認可をもっている⇒地方に権限がない
・まちづくりの柱にしていない
・道路整備と自動車交通体系をつくることが仕事
・交通問題が重要という認識がない⇒プロジェクト中心主義
 ⑦輸送を手段として活用する場合
・まちづくりの核として捉える。
・環境負荷が少ない。
・安全性が高い
・地域の個性を出す(観光資源として利用)
 ⑧財源
道路予算に比べ鉄道予算が如何に少ないかが岐阜県の事例で説明され、一般財源のうちの5%を鉄道に振り向けてもらえれば相当なことが出来るはずである。
 結論して、「地域公共投資の組換えで生活交通の確立を」と安部先生は叫ぶ。

なお、先生の論調は「運輸と経済」2003/4p.16~25を参照。
また、安部先生の使用されたPPは以下のホームページで確認できます。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~thlt/kouen1/2004inevent.htm

 質問 地域交通を守るのにNPOの力はどうなのか?
 回答 市民からの声は大変おもいものがあり、大変重要。NPOの活躍に期待したい。
 質問 道路が概成された今、自動車税を下げろという風潮があるが…
 回答 自動車税を下げるのはいいが、別に環境税を創設する必要がある。一般財源から税を回すことを力説している(5%でよい)。環境税は一般財源とする
 質問 北陸本線の第三セクター県境分離について
 回答 経費が二重になる。メンテもそれぞれとなる⇒これはJRに委託すれば可能。ダイヤの編成をするときに困る。それぞれの県で第三セクターの費用の持ち出しの問題がある。
 ⇒結論していうと、県境分離は好ましくない。肥薩おれんじ鉄道の例がある。2県共同出資でこれにはJR貨物も出資をしている。

八州 太郎

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